<平原の月と狼の章に登場する主要人物>
ユイマ
この小説全体の主人公。自らの宿命に翻弄される、金髪碧眼の美少年。
パルコス、アリウス、サティーと彼を庇護する人々は皆、あたかも定められた運命を享受するように死んでいった。
ユイマに関わる人物
アレス
オリオンを尊敬する、義侠心にとんだ活発な少年。ユイマの窮地を、命を掛けて助ける働きをする。ユイマを無二の親友だと思っている。
デモレオン
四十代半ばのアラム商人。オリエント地域一帯に販路をもつ有力者。アリウスの物流、情報に関する哲学を聞きその信奉者となる。ユイマをアリウスの後継者と見なし、最大の庇護者となる。
キュロス
この章の主人公。紅色掛かった、褐色の眼と髪をしており、痩身で華奢な青年。
古代オリエント世界を統一し、アケメネス朝ペルシャを打ち立てた英雄。人心収攬の天才。英雄のパルコス、アリウスを策略を用いて死に追いやった。そして、彼らの意志を継ぐ後継者と自らを任じ、その役目を果たす。
キュロスに関わる人物
デュマス
キュロスの幼少の頃の養育係。七十近い老齢であるが、キュロスと共にあり、彼が最も信頼する人物。
メムノン
右頬に深い傷がある。謀略、情報収集など、裏面でキュロスを支える。パルコス、アリウスとも面識があり、任務に対しては冷酷非情になりうるが、ユイマに対して は親愛の情を抱いている。
ネストル
メディア王国の貴族の出自、パルコス、アリウスを師と仰いでいる。
文字通りキュロスの右腕で、彼なくしては、キュロスの覇業はならなかった程の働きをする。ギリシャ文化を愛する教養人でもあり、ユイマに対しては肉親のような 感情を抱いている。
グライコス
年齢不詳の老人。白髪は腹部にまで垂れ、顎髭との区別が付かないほどである。
アッシリア帝国の伝説の軍師であり、遙か昔に隠遁していたが、キュロスに請われてペルシャ入りをする。ネストルと親しい関係になる。
ケペウス
キュロス配下の軍人。強弓を得意とする。戦場においては常にキュロスと共にあり無謀な彼の身を守る。
コカロス
キュロス配下の軍人。長刀を得意とする勇者。ケペウスと二人で、いつもキョロスの側にある。
その他の主要人物
クレオン
パルコスの信頼篤い後継者。メディア王国の最強の第一軍管区司令官。メディア王国執政官オロデスとは対立関係にあり、独立国の呈を為している。
オロデスをパルコス殺害の黒幕とも思っている。
ドリオス
パルコスを彷彿させる巨体を持ち、戦場においては凄まじい活躍をする。オリエント世界全体を見回しても、武勇において、クレオンに対抗できるのは彼ぐらいのものであろう。三十代後半でクレオンの部下。
エウピテス
イオニア出身の知者。クレオンの参謀で、天才的なひらめきを発する。アリウスに恋情を抱いていたが叶えられることは無かった。ドリオスと同年代だが、金髪に知性的な風貌をしている。享楽的で孤独な魂の持ち主。
オリオン
ダハイ王。カスピ海の東岸を平定する。熱血漢で直情的な面がある。エクバタナにおいて、アリウス、ネストルの薫陶を受けた。サティーに恋情を抱いていたが、彼女の死で終わった。ユイマとは兄弟弟子で、彼に対し強い親愛の情を抱いている。
カストル
アッシリアの貴族出身。オリオンと手を組み、軍師的な働きをする。各地に散らばったアッシリア残党のネットワークを持っており、動員力もある。
タンタロス
カストルと同じく、アッシリアの出身であるが叩き上げの軍人。意思堅牢な戦場の指揮官。
オロデス
メディア王国の最高権力者。若きアステュアゲス王を意のままに操る野心家。
メディア王国、最盛期の執政官の最後の生き残りでもある。
アステュアゲス
英雄キュアクサレス王を父に持ち、父王の偏愛を受けた現メディア王。腺病質で性格的に狭隘。かつ脆弱なところがある。
ネブガトネザル二世
英雄ナボポラッサールを父に持つ、新バビロニア国王。オリエント世界随一の繁栄を謳歌し、首都バビロンに、バベルの塔、空中庭園を建立した。
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