身 辺 雑 事

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 武道はカッコ悪いのか?

  
 我が家には、豚児が二人生息している。
 長男は武道に全く興味がない。そのくせ「K1」「プライド」は大好きで、私に対して(この私に対してである)色々講釈を申される。
 「そうか! なるほど」と感心してしまう自分が悔しい限り。そんなに、細かく技術的解釈を云うなら、自分でもやればいいのに? と思うのだが、やる気は全然ないらしい。
 二男は以前、空手の稽古をしていた。塩川宗師より、四級の免状をもらっている。
 しかし、今はまったくやる気がないらしい。
 なぜ? という私の問いに二男は一言。
 「カッコわるいから!」
 妙に納得してしまう自分が情けない。

 以前の話を少々。
 ちょっと粋な後家さんがいた。なんとも云えず、色っぽい人で、心憎からず思ってもいた。
 「谷さん、武道っておもしろい? なにをしているの?」
 よくぞ聞いてくれました! ここぞとばかりに、私は勧誘に相務めた。
 「今やっているのは、空手、居合、杖道。杖道はあまり知る人は少ないが、素晴らしい武道で・・・・・・・・・・」
 一所懸命説明している私をさえぎり、突然おっしゃった。
 「くらーい!」
 「えッ!」
 私は二の句が、つげなかった。
「なんて暗いの! 一緒にテニスをしましょうよ!」
 「むッ・・・・・(短いスカートは好ましいが)眩し過ぎて私にはちょっと!」

 今もお元気でおすごしでしょうか?
 現在、私は悔やみ、残念に思っています。
 「テニス、なんと健康的で素敵なんだろう! そして、いまでもお一人ですか?」
 それにしても、武道ってやっぱりカッコ悪いのかな・・・・・・・・・・。




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