悲しい現実(地球と人類)
この表題はアル・ゴア氏に敬意を表して付けました。
<@初めに>
1.突然、私はなんという問題を書き始めたのだろう。自分の生活とは全くリンクしない、床屋談義であることは間違いない。このHPの技術管理人のヒロ子さんとの雑談の折、この問題にも触れることがあった。「面白いからHPで発表したら」と言われてその気になった。思い起こせば私が突然、小説などを書き出したのは岩目地先生の奥さんに勧められてであった。すぐその気になる軽率な男が私である。
何年にも渡って、稽古の後には酒を飲んでいる。その飲み会で一緒の武道関係者、職場や家族にも環境問題を話した記憶はない。けっこう皆さんビックリするだろうなと思うと楽しみでもある。
2.ここで示されるデータについては慎重を期すつもりである。政府刊行物の白書や統計資料そして百科事典を中心にするつもりだが、ウィキペディアなどのネット情報も使用することになる。よって可能性として、間違いが発生する恐れが十分にある。しかし、評論ではなく、ましてや学術論文でもない単なる随筆(床屋談義)では問題ないでしょう。あくまで素人の戯言です。データ不足は、どうかお許し願いたい。
二十年ぐらい前になるだろうか、棲み分け理論の生物学者、今西錦司教授とノーベル賞受賞経済学者、ハイエク教授の対談集を読んだ。その中でハイエク教授がおおよそ次のような発言をされた。
「私は、今環境問題に関して発言はしまいと考えている。なぜなら、私には生態学に関する知識が十分でないからです」
軽率な私はその言葉を読んだとき、すぐにオダム生態学他の生態学に関する専門書を数冊発注した。そして、読み出してすぐに悟った。とても私の手に負える物ではないことを。そんな程度の能力しかないのは悲しいかな事実です。
なお、参考文献については連載の終わった後に列挙する予定である。
3.これから私が書いていくことで本当に言いたいことは、ミクロとマクロ、総論と各論の矛盾であるような気がする。つまり簡単に言えばこういう事になる。いまから三十数年前、「サムエルソン経済学」という本を読んだ。そこには、人間が生命を維持する為の食糧の価格は年間2万4千円で済むと出ていた。(その後の、食糧の変動を考えれば現在では年間5万円程か、所得は5倍になっているが、加工前の食糧としてはそんなものだろう)
しかし、すべてのアメリカ人がそのように行動すれば、アメリカだけでなく世界経済は崩壊するとあった。経済が崩壊しても、先進国の人間が節約すれば、飢餓戦場に彷徨っている難民に食糧がまわると言えるだろうか。否、経済が崩壊すれば、餓死する人間が激増することは間違いない。日本の人口が三分の一の四千万人になって均衡する気がする。なぜそうなると考えるかをこれから書いていくつもりである。
個人でエネルギー、食糧を節約することは正しい。環境にも優しいと言えるだろう。しかし、それは飽食した先進国に言えることで、飢餓線上にある人々に言えるだろうか。自然に優しい農業が世界を覆えば現代社会は崩壊してしまうだろう。さらに大きな悲劇が発生することになる。64億の人間、つまり我々一人一人の存在自体が、環境破壊の最大の原因だと言えまいか。我々にとってかけがいのない自然環境をもっとも損なう元凶が我々なのである。
ここにマクロとミクロ、各論と総論の背反がある。世の中のあらゆる事象にこの問題は発生するからやっかいなのだ。
二律背反を克服する提言をするわけではあり得ない。そんなことは専門家におまかせして、何とか自分の中で折り合いが付かないかな? 納得できないかな? と思い、日頃考えていることを発表させて頂くしだいである。
もう一つの前提として、以下のように私が考えていることも言っておきたい。
日本では家庭でも学校でも「人の迷惑にならないようにしよう」という躾がなされている。執拗に何度も繰り返されて子供は育っているようだ。
一方、インドでは「人に迷惑を掛けているのだから、少しでも迷惑にならないように、出来れば少しでも人の役に立つようにしなさい」と言われて子供は育つそうである。
私はインドの考え方を良しと思う。人はその存在自体が他人の迷惑になっていると考えるからである。「なによ! うるさいわね! 私が、あんたに迷惑かけた!」この言葉には嫌悪を感じてしまう。女性でなければ殴ってやりたいくらいだ。
4.私は危険境界線を越えてしまったのかもしれない。このHPでは宗教、政治、イデオロギーには関わらないことにしてきたつもりである。林文照老師のことも書いたが、宗教的な意見は述べていないと思う。これらの問題は、ある意味で人それぞれ、どのようにも言えることであり、この問題に言及すると人は、正義の御旗を立てて、ヒステリックになってしまう。あらゆるイデオロギーは、普遍的判断の尺度とはならないのだ。
今まで、掲示板に多くの人が意見を述べて下さった。しかし、私は変な広告以外は削除していない。削除するように助言をされたが実行はしなかった。しかし、今後は削除することがあると思います。誠実な批判、事実誤認の指摘につきましてはそんなことはいたしません。ただ、揚げ足取りのヒステリックな意見が出てくる可能性が十分にあるからです。揚げ足取りのヒステリックな意見も世の中に影響を与えることは大であり、無意味とは思いませんが、どうかその意見は御自分のHPで発信して頂けるように願うばかりです。
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