杖道紹介
「杖道」・・・・・・皆さん聞いたことがあるでしょうか?
柔道、剣道、空手道はよく見聞きし、多くの人々が御承知のことと思いますが、合気道、居合道、薙刀道等に於いては、その内容まで知っている人々は殆どなく、さらに杖道に至っては携わっている人々のみで、武道に縁のない人々には、まったく知られていないのが実状だはないかと思われます。
そこで、杖道とは何かについて御紹介いたします。
杖道は型武道です。型武道は一般に攻撃と防御を合理的に組み合わせた、型を反復して稽古する武道のことであり、合気道、居合道もこの型武道の典型と言えるでしょう。
杖道の型は総て杖と太刀の組み合わせで出来ている為、長さ四尺二寸一分(約128p)、丸太の直径八分(約2.4p)の樫の木の直杖を用いる他、木刀の大刀と小刀を用います。
この杖道の精神は、かつて「我が胸に、燃ゆる思いに、比ぶれば、煙は薄し、桜島山」と詠んだ幕末の志士、平野二郎国臣(杖道の達人でもあり彼の父、平野吉三能栄は第13代の統)が杖道について「疵つけず、人をこらして、戒しむる、おしえは杖の外にやはある」と詠んでいる様に、真剣勝負の場合でも相手を殺したりせず、又、疵つけずに戒めなさい、といっていることでも、お判りのことと思います。
杖道の稽古は、伝書に「突けば槍、払えば薙刀、持たば太刀、杖はかくにも、外れざりけり」とある様に、永年伝えられて来た突き、払い、打ちの組み合わされた型を反復して行うものです。そして身体の鍛錬は無論のこと姿勢を正し、反射能力を養い、仁徳・義徳・礼徳・智徳・信徳・勇徳の六徳を修行し人間形成に役立てる他、護身の技(術)を身につけることを目的としています。
杖道には種々の流派がありますが、今ここに御紹介いたします流派(神道夢想流)の沿革と型名を御紹介いたします。
岩目地光之師範 記述